![]() |
|||||||||||||||||||||||||||
|
毎日毎日の暮らしの中で思ったことや出会ったもの....、そんなものたちを日記形式で綴っていきたいと思います。 |
|||||||||||||||||||||||||||
| ←最近の日記 | |||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||
| 2002年07月02日(旧暦5月22日-半夏生-) | |||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||
|
鴨川の山間に暮らす友人夫妻の家の庭のプラムが鈴なりになっていると聞いて、プラム狩りに出かけた。梅、枇杷に続いてプラム・・・、このところ、自然の恵みをありがたく収穫し、梅干しや梅肉エキス、ジャムや果実酒にする作業が続いている。暮らしの中の、手間と時間をかけた営みが、実に楽しく喜びに満ちたものだと、この季節は感じさせてくれる。 友人夫妻が暮らす山間には、日本の伝統的な山里の暮らしの残像が今も残っている。川を上ってくる鰻や、田んぼのドジョウ、沢蟹を獲り、牛を飼い、棚田で米を作り、雑木林を薪炭林として利用する、そんなかつてはどこにでもあったような(と同時にとても未来的な)暮らしが、今も見え隠れしていて眩暈に似た不思議な感覚を覚える。 その鉱泉をボランティアで管理し、ハイカーのためにすすんで整備しているおじさんが、近くにあるという幻(?)の滝へとボクたちをガイドしてくれた。林道から落葉広葉樹の森を10分ほど籔こぎしながら登ると、実に美しい滝が驚くほど荘厳に(ただそこに)あった。この滝のように名づけられることもない滝が、まだまだたくさん、今も人知れずあることを思い、ボクはなんだか嬉しくなってしまった。 |
|||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||
|
2002年06月24日(旧暦5月14日) 竹の花が咲いている。一般には、花を咲かせることなく地下茎で繁殖するとされる竹だが、実際には、60年から100年(あるいはそれ以上)の周期で花を咲かせ、種子を実らせてその一生を終えるのだという。1ヶ月ほど前から、竹林の様子が何かおかしい、普段とは違うと思っていた。もしかしたら、これが竹の花かと思っていたところ、知り合いからこれが竹の花だと教えられた。まるで麦や稲の籾がぶら下がっているようなその姿は、なるほど竹がイネの仲間なのだということを教えてくれる。古くから、竹の花が咲くと天災、人災が起こり、世界の終わりが来るといわれている。でもすでに、竹の花が咲くずっと前から、この惑星の上では人間の狂った行いが無数の人災(天災と呼ばれる人災も含めて)を引き起こしている。今回の竹の開花は、自らの開花というかたちで人間へ届けようとしている竹からのメッセージではないのだろうか。 |
|||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
||||||||||||||||||||||||||
| 仮に、前回の竹の開花を100年前だとすると、それはずーっと昔の出来事のようにも思える。だけど100年前から今までの100年間は、けっしてはるか昔なんかじゃない。ボクたちの両親は知らなくても、おじいちゃんおばあちゃんはたしかに生きてきた時間だ。すぐ手の届く過去、それが100年だと、ボクは思う。 最近、「百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY」という一冊の本が出版された。20世紀の100年を100枚の写真で振り返ることで、21世紀の地球を考えようという優れた一冊だ。人間の狂った行い、愚かな行いを記録した100枚の写真は、どれもショッキングではあるが、どれもまた紛れもない現実の記録だ。 竹が、自らの生命を終わらせてまで花を咲かせる、そして人々は古くからそのことをこの世の終わりを象徴するものだと考えてきた。前回、竹が自らの開花という表現で届けようとした人間へのメッセージは、「百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY」を見る限り、あっさりと無視されてきたようだ。 竹の花を見ることは、一生に一度あるかないかの貴重な体験だといわれる。ボクは、竹の花が咲いているのをはっきりと見た。そして、聞いた。今回の竹の開花からの100年間が、けっして「百年の愚行」であってはならないのだということを、ボクは強く思った。 |
|||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||
|
2002年06月22日(旧暦5月12日) 千葉県立安房博物館で、安房学講座「安房の滝〜地史の現代史〜」を聴講した。千葉県立中央博物館の吉村光敏先生の、滝への愛情溢れる素晴らしい講演は、滝の魅力をあらためて知らされたようで実に新鮮だった。吉村先生のホームページ「滝を観る〜千葉県の滝を例に〜」も吉村先生のピュアな滝への愛情に満ちあふれ、インターネット本来の意味を思い出させてくれる。 |
|||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||
| 高い山も大きな川もない南房総だけど、滝の数は意外に多い。ボクの家から見える不動尊を祀った小さなお堂の裏にも、落差19mのちょっとした滝が誰にも知られずにひっそりとある。ひとりっきりの静かな時間を過ごすための、ボクにとっての大切な場所となっている。ほかにも、和田町の黒滝や三芳村の坊滝なども、聖性を感じさせてくれて好きだ。天然の温泉を無条件で好きなように、天然の滝が無条件で好きだ。どちらもとても根源的な部分に訴えかけてくる。理性では太刀打ちできないアニミスティックな快感・・・。 | |||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||
| そんなことを考えていたら、1996年に原宿のキリン・アートスペースで開催されたエキジビション「横尾忠則collection・瀧狂」を思い出した。横尾さんは、収集した13000枚におよぶ滝のポストカードを、選んで並べるという(DJ的な)編集作業によって、新しいアートとしてボクたちに見せてくれた。会場には白い石が敷き詰められ、滝の轟音が鳴り響いていた。本物の滝を訪ねたときに感じる「あの感じ」を、本物の滝を訪ねたとき以上に感じたことをリアルに思い出す。(余談になるが、横尾さんの瀧狂から涅槃境へとつらなる仕事は、どこかしらみうらじゅんの仕事に通じるものがあるようで実に美しい。) ボクたちが滝に真摯にチューン・インすれば、滝は直観にダイレクトに答えてくれる。だからこそ、古くから滝は神聖視され、祈りの対象や修行の場となってきたのだと、ボクは思う。 |
|||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||
|
2002年06月17日(旧暦5月7日) ハーブや野菜の珍しい種や苗を手に入れるために、大多喜町のハーブアイランド、ベジタブルガーデンへ行った。最初にハーブアイランドを訪ねたのは今から十数年前だった。そのころはハーブの苗も簡単に手に入るような状況ではなく、東京から外房線の特急「わかしお」で大原まで行き、そこからバスのようなかわいいローカル線・いすみ鉄道で大多喜まで、3時間強のちょっとした小旅行だった。(つげ義春が好んで描いた大原・大多喜を訪ねる目的もあった。) 買ってきたタイムやセージ、フェンネルやミントを、都心の小さなベランダで育てていたのが、なんだかものすごく昔のことのように思える。都心を離れて南房総に暮らすことになるのも、自らすすんで畑仕事をするようになるのも、当時のボクには思いもつかなかった。本当に人の人生なんてどう転がるのかわからない。 |
|||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||
| それから十数年、もちろんボク自身も変わったけれど、ハーブをめぐる状況も大きく変わった。ハーブを育てることもすっかりポピュラーになったし、今ではもう誰も「ハーブ」という名前の植物があるとは思わなくなったろう。ハーブアイランドにも、当時はなかったエキナセアやフィーバー・フュー、シリマリンなどのメディカル・ハーブや、様々なチリやズッキーニなどの西洋野菜、サンニン(月桃)、オリーブなどの有用植物と、魅力的な種苗が並ぶようになった。サーフィン、スノーボーディングでの骨折、裂傷と歯医者以外には病院に行くこともなく、西洋医学の薬を飲まないボクにとっては、大切な緑の薬箱となっている。 | |||||||||||||||||||||||||||
| 帰り道にほんの少し遠回りをして、御宿・布施にある蕎麦屋「幸七」に寄った。築200年の農家を改造した店内には、実にゆっくりとした心地よい時間が流れ、徹底して吟味された素材と店主の技が、目の前の蕎麦となって現れる。そばゼリーやそば葛餅といったデザートも絶品だが、その前に、ソバ本来の味を堪能できるもりをたっぷり二枚は味わいたい。満ち足りた気分で店を出ると、店の前のソバ畑に、まるで招き猫のように一匹の猫が、実に美しく佇んでいた | |||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||
| ←最近の日記 | |||||||||||||||||||||||||||