●「正々堂々と異議を唱える」姿勢
今日読んだ本から。
幕末の日本を訪れた外国人たちの見た日本は、『逝きし世の面影
』という渡辺京二の名著で名著でまとめて知ることができる。そこに見える日本人の陽気さ、満足感、幸福感、そして、自己顕示欲や競争心がなく欲しいものもなければ余分なものもない簡素な生活は、実像であったろうと、私は思う。その満足は、自らを治めることのできる満足であり、鼻先にニンジンをぶら下げられた馬のような人生を送らなくて済む安定感である。自らを治めるためには、一揆も必要であった。搾取構造が固定化されていれば、自治のために絶えず異議を唱える必要があり、自治は一揆によって保たれていた。現代人が学ぶべきものはいろいろあるが、「正々堂々と異議を唱える」姿勢が、その最たるものかも知れない。
田中優子「未来のための江戸学
」
