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2009年07月24日

●今の世界はエネルギー漬けである。

日刊温暖化新聞の、「あの人の温暖化論考」西尾秀三さん「産業革命をリセットする 低炭素世界の到来」より。

産業革命をリセットする


低炭素社会の実現は大変なことである。産業革命を逆行させる話だからだ。産業革命以降の社会は、はじめは石炭、その後石油や天然ガスといった炭素分の多い燃料をエネルギー源として、人の持つ力を何倍にも拡大してできた技術社会である。身の回りを見回してみると、今はどんな技術にもエネルギーが使われ、そして二酸化炭素を出している。家庭にあるテレビやファックス、コンピュータは、いつでも直ちに皆様のお役に立とうと24時間待つために家庭電力の10%近い待機電力を消費している。あふれるゴミの処理が身近な問題になっている一方で、モノの製造や輸送には多くのエネルギーが使われている。家庭が出す二酸化炭素の13%は食品から出ているが、大地の恵みで育つべき農産品も、肥料や農機具で生産性を挙げ、温室で季節知らずの生産をするために、大量のエネルギーを使う。今の世界はエネルギー漬けである。

産業革命以前はどうだったか。基本的に太陽の恵みから派生するバイオマス、薪、などを使っていた。お日様と共に起き、自然の農業を主とし、木材で家を建て、すべて太陽の恵みの中で生きてきた。そんなに多くの化石燃料は使っていなかったから、大気中にすこし出した二酸化炭素は短期間に自然に吸収され、大気濃度は元に戻っていった。

ところが産業革命以降はそれを大規模にはじめ、しかも200年も続けてきたものだからたまりたまったものが減るどころか増えてばかりいる。今それを元に戻そうとして、化石燃料を使うのはやめる、吸収能力を高めるために木を植える、などを必死にやろうとしている。今のわれわれは産業革命の後始末をしているのである。産業革命、エネルギー技術のおかげで、多くの飢餓、貧困は解消され、人間らしい豊かな生活を得たことは間違いない事実である。だからこれからは産業革命以前の生活に戻るのではなく、200年の間に培った人の智恵をフルに残したままここで昔の産業革命をリセットして、低エネルギー・低炭素社会への新たな産業革命への道のりを探ることになる。

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