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2008年07月15日

●あなたは第五福竜丸を知っていますか?

   あなたは、5年前にメキシコシティ郊外の資材置き場で奇跡的に発見された、岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」を知っているだろうか?。あまりにも痛烈な核への憎悪と、生命への畏怖を描いた「明日の神話」はこの秋、制作から40年もの長い歳月を経て、ようやく東京・渋谷に設置されることになっている。縦5.5メートル横30メートルもの巨大な「明日の神話」の画面の中で、第五福竜丸は何も知らずに、死の灰が振る中をマグロを引き航海を続けている。その姿はまるで、凧揚げをする無邪気な子供のようにも見える。


 今年5月、いつものように房日新聞を眺めていて、「被爆マグロ漁船 第五福竜丸 求む 館山時代の資料 保存活動の教授」という記事に目を奪われてしまった。第五福竜丸の館山時代?、いったどういう意味なのか、見出しが何を意味するのか、ボクにはまるで理解ができなかった。記事によると、第五福竜丸がビキニでの被曝後、放射能除去を施されて、東京水産大学の練習船「はやぶさ丸」として約10年間にわたり、館山を母港としていた、というのだ。こんな重大なことをどうして今まで知らなかったのだろう?、ボクの頭は驚きと疑問でいっぱいになってしまった。


 「明日の神話」が、最終的な設置場所を探していたとき、ヒロシマかナガサキ、もしくは夢の島に保存されている第五福竜丸と並んで設置されるのがベストだろうと、ボクは思っていた。けれど、「はやぶさ丸」の存在を知った今、ボクの頭の中には館山に設置された「明日の神話」の強烈なイメージが鮮明にある。「明日の神話」は館山にあるべきだ。


 昨年、館山で「六ヶ所村ラプソディー」の緊急上映会を行うことを決めたとき、ボクはフライヤーにこう書いた。

 「今、何が起きているのか?。どんな考えで、どんな人々が、何をしようとしているのか?。ボクたちはまず、知らなくてはいけない。原発反対・賛成の議論ではない、原発に賛成していたって、六ヶ所核燃再処理工場に反対することはできる。時間は少ないけれど、今なら間に合う。今年の夏を、放射能に汚染されていない最後の夏にしないために、ボクたちにはやらなくてはいけないことがある。」

 上映会を決めたとき、六ヶ所村の再処理工場の本格稼働はその年の8月とされていた。その予定は11月、今年1月とたびたび延期され、幸運なことに、今もまだ現実のものとはなっていない。去年の9月24日、多くの観客の来場により大成功となった上映会から10ヵ月、その間も試験操業は続いていたが、昨年12月からはガラス固化試験の不具合により、6ヵ月半にわたり中断していた。この7月より再開したもののわずか一日で試験停止となった。また、六ヶ所村再処理工場の直下に活断層があることを指摘する渡辺満久東洋大学教授の画期的な指摘もあり、どう考えても、再処理工場の本格稼働を合理的だとする要素はない。


 現在、原油は高騰を続け、安房地域のような広範な生活圏を抱えるエリアでは、生活に支障が出始めている。(ピークオイルはすでに現実のものとなっている。)公共交通機関のリデザイン、地域でのエネルギー確保など後まわしにすることのできない問題が山積みにされている。今こそ、エネルギーについて真剣に考えなくてはいけない。(幻想としての安価な)石油への依存の上に立つ現代文明を一日でも長く維持しようという、中毒症状としての「原子力」が本当に必要なのだろうか。今こそ考えなくてはいけない。


 1954年3月1日、水爆実験ブラボーに遭遇し、死の灰を浴びた、第五福竜丸。あなたは本当の意味で第五福竜丸を知っているだろうか?。第五福竜丸(船体・船員・捕獲したマグロ)が何を見て、何を経験してきたのか?、はやぶさ丸の母港であった館山の地で、もう一度、第五福竜丸について考えてみてほしい。


 7月20-21日、昨年の上映会と同じ場所、南総文化ホールで「安房平和映画祭」が開催される。20日には、「六ヶ所村ラプソディー」の前編ともいえる「ヒバクシャ 世界の終わりで」の上映があり、両作品を監督した鎌仲ひとみさんのトーク、さらに「六ヶ所村ラプソディー」上映以降の動きを追った「六ヶ所村通信N0.4」を鎌仲監督とともに見る会も行われる。


 この貴重な機会に合わせて、ボクたち「電気を止める子どもたち」でも、「安房平和映画祭」期間中、南総文化ホール大会議室において、第五福竜丸パネル展「あなたは第五福竜丸を知っていますか?」(協力・東京都立第五福竜丸展示館)を行うことにした。ひとりでも多くの人が、事実を知り、考えるきっかけになってくれることを、心より願っている。

(真魚長明)



安房平和映画祭
7月20日(一日目)

「海女のリャンさん」(2004年・原村正樹監督)
「ヒバクシャ 世界の終わり」(2003年・鎌仲ひとみ監督)

スペシャルトーク<鎌仲ひとみ監督>

特別プログラム「六ヶ所村通信no.4」上映と鎌仲ひとみさんと語る会
(特別プログラムは会場の都合で100名限定となります。入場には当日、会場受付で販売する有料整理券500円が別途 必要となります。)

7月21日(二日目)

「TOKKO 特攻 生きたかったよ 死にたくはなかったよ」(2007年・リサ・モリモト監督)
「ガイサンシー(蓋山西)とその姉妹たち」(2006年・班忠義監督)
スペシャルトーク<天羽道子さん かにた婦人の村施設長>
「Little Birds - イラク戦火の家族たち - 」 (2005年・綿井健陽監督)

2日券2500円(前売りのみ)1日券(前売り当日とも)1500円
安房平和映画祭ウェブページ http://awaheiwaeigasai.org/
お問い合わせ info@awaheiwaeigasai.org TEL0470-36-3059(八木)

関連イベントとしてホール内で、各協賛団体出展ブースや、「中学生のために慰安婦展」などの展示もあります。

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コメント

初日の20日に行きたいけど、葦船祭りとかぶっていて、困っています。20日映画祭、21日映画祭かな?いろいろごくろうさまです。

コメントありがとうございます。
平和映画祭、最後のアピールをしています。
今年のことばかりでなく、来年以降のためにも、一人でも多くの人にご来場いただきたい!!、です。
よろしくお願いします。

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