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2008年02月11日

●重要なのはどこかへ行くことではなく歩くことそれ自体です。

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今日は、二回目の安房ハイキングクラブ。
いつも海から見ている山を仲間たちと歩いた。
不動山、上の台、浅間山。
100メートルあまりの低い山だが、海から一気に切り立っているので景色は申し分がない。
ピークにはどこも小さな祠や、立派な社があり、暮らしと祈りが分離せずに一体となっていた一つ前の生き方の最後のカタチのようなものを見る貴重な体験でもある。

歩きながら、今から5年前に、安房の観音霊場を歩いたことを思い出した。

当時のウェブ・ダイアリ−には、こうある。


2002年03月28日(旧暦2月15日)

安房国札三十四カ所観音霊場巡礼の結願を無事に迎えた。安房国札三十四カ所観音霊場は、館山、富浦、鋸南、富山、三芳、鴨川、和田、丸山、千倉にひろがる37の札所(34+番外3)からなり、6年に一度、丑歳と午歳に開帳されている。普段はひっそりと佇んでいる小さなお堂が、6年に一度、いきいきとした祈りの場として賑わいを見せる。今回、初めて37の札所をまわってみて、まわりはじめる前は思いもしなかったようなことが見えてきて、考えさせられることも多くあった。

菜の花が咲き、桜が咲き、蝶々が飛び、蛙が鳴いている。田んぼでは田植えの準備が忙しくすすめられている。典型的な日本の農村、里山の風景だ。小さなお堂に幟(のぼり)が立ち並び、人々が参拝に向かっている。鳶がくるくると飛び回り、猫が日向ぼっこしている。この風景はきっと、ずっとずっと昔から連綿と続いてきた暮らしの風景の一部なんだろうと思った。6年前も12年前も、そのずっとずっと前も、きっとほとんど同じ風景が展開されていたんだろう。では6年後は?、12年後は?、そのずっとずっと後は?。その答えは、ボクたちにかかっている。

 ほとんどのお堂は住職も不在で、普段はそこにあることさえ自ら隠しているかのようにひっそりと佇んでいる。こんなところにこんなお堂があったんだ、と、驚かされたことも少なくない。そんなお堂に毎日毎日たくさんの人が訪れている。その参拝者たちを暖かく迎え、納経所や湯茶の接待など様々なこと一切を行っているのは、地域のボランティアたちだ。各札所それぞれが、本当に手厚く迎えてくれる。未来へ向けての地域のあり方みたいなもののヒントが、ここにはあるのではないかとボクは思った。バリ島などでの、生産者=宗教者=芸術家といった分業化しないホリスティックな生き方と同じ生き方がここにもあり、その人々が支える地域の中心としてのお堂=札所をネットワーク化する観音霊場巡礼という、より大きな地域ネットワークがさらに広がりをもって展開していく。(そしてさらに大きな板東観音巡礼へと展開していく。)大きな神社仏閣の荘厳さはそれはそれで素晴らしいもので、決して小さなお堂が数多く集まってもその荘厳さは演出しようもない。でもそれとは別に、小さなお堂、それを支える善意のボランティア、そしてそれらが一体となってつくるネットワークに、あえていうならUNIX的な意味での未来性をボクは感じてしまう。「地域通貨」や「仏教経済学」を持ち出すまでもなく、ここには何か未来への大きなヒントがあるように思えてならない。



「道徳心の促しに従う欲求があり、仲間にサービスする欲求があり、創造的な生産をする欲求がある。だから、なにかをしたいときわれわれは報酬を期待しない。」

E・F・シューマッハー「スモールイズビューティフル再論」


歩くことは、時には抵抗にもなる。
また時には、内省的で瞑想的な行いにもなる。

きっと、ボクたちは、人類史上最も歩かない時代を生きているのだろう。
今、歩くことを考えることで、いろんなことのきっかけになるのかもしれない。

ティク・ナット・ハン師はこう言っている。

ふだんの生活の中で わたしたちはいつも駆り立てられているように感じています。 せきたてられ、急がねばと思います。 そのくせ、そんなに急いでどこへ行くのかと 自分に問うことはめったにありません。 歩く瞑想はふつう戸外で行いますが いつまでにどこへ行くといった目標はいっさいありません。 歩く瞑想の目的は 歩く瞑想そのものだからです。 重要なのはどこかへ行くことではなく 歩くことそれ自体です。


ティク・ナット・ハン「ウォーキング・メディテーション


歩こう!。
歩こう!。
もっと歩こう!。

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