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2007年01月04日

●だからこそ「ここ」にしっかりと居なくてはいけない。

インターネット黎明期の原稿を紹介したついでに、当時書いたニュアンスの近い文章をもうひとつ。
これは、高城剛氏が始めたパソコン通信「フランキーオンライン」のニューススタンド用に書いた原稿で、これを読んだアメリカ人英語教師の方から、教材に使いたいので英訳させてほしいとオファーがあった。(せっかくなので英訳もアップしておく。)フランキーオンラインは、テキストオンリーだったパソコン通信に、(あらかじめCDでコンテンツを渡しておくことで)グラフィカルなインターフェースを持ち込んだ先進的な取り組みだった。(パソコン通信時代に行われた様々な実験を、今一度整理しておく作業の必要性も感じている。)mixiなどののSNSの登場で、パソコン通信時代の「濃厚さ」が、なんだか妙に懐かしい。

 かぎりなく広く、深く、青い海の中でザトウクジラは歌う。繁殖期の雄によって歌われる「音楽」はいくつかのフレーズで構成されたテーマの組み合わせからなり、6分程度のものから30分を越す大作まである。彼らは僕の知らない何処かの海でその歌をくり返し何時間も、時には一日中歌い続けている。もちろん、この惑星に生きる全てのものたちが何らかのかたちでメロディーを奏で、リズムを刻んでいることを僕は疑わない。鳥も魚も草木も、道ばたの石ひとつだって歌っている。そんなことはあたりまえのことなのだが、ザトウクジラの歌は僕たち人間のそれと非常に近い形態を持つためかよりダイレクトに響いてくる。地球のゴスペルとでもいえるようなその歌は1500Kmから1万Kmもはなれたクジラたちにも届くといわれている。もしかするとアラスカのクジラと南極のクジラは会話をしているのかもしれない。今僕らが手にしはじめた新しいネットワークを考えるうえで、彼らイルカ・クジラたちのネットワークに目を向けることもけっして時間の無駄ではないだろう。かつてジョン・C・リリィはイルカの音声コミュニケーションについての質問に、「私はファクシミリが好きなんです。なぜならファクシミリでの通信は、イルカ同士が行うのと全く同じようなコミュニケーション方法だからです。私の手元にある目に見える一枚の書類と相手の手元に届いたコピーとの間には電話線を通るピーガーという音声があっただけなのです。」と答えたことがあった。たしかに今僕たちの目の前にある新しいネットワークは彼らのそれと随分と似ている。もっとも彼らのバイオ・ソナーと違い、いくらかの投資によるハードウェアと毎月の電話料金が必要ではあるが、それも時代とともに軽くなっていくことだろう。問題はそんなことではない。この星を包みこむようにひろがり続けるネットワークの中で、僕らはこれからどんな歌を歌っていけるのだろうか。国境線など軽く飛びこえたネットワークは、いともかんたんに僕たちを「そこ」や「あそこ」や「あっち」に連れていってくれる。だからこそ「ここ」にしっかりと居なくてはいけない。しっかりと「ここ」に居なければ、この新しいネットワークは僕たちが今一度この星のネイティブとして生きるためのツールにはなってくれないだろう。コヨーテやサボテンや黒曜石のように僕らも時間や距離の束縛から解き放たれて、このネットワークで歌を歌おう。僕らが再びこの地球というバンドの一員になれるように。グレゴリー・ベイトソンがネイティブ、狂人、子供といったテーマを経て、イルカの研究に辿り着いた道のりを、僕らは新しいネットワークを使うことでさかのぼろう。そして、この星のネイティブたちが豆やトウモロコシやジャガイモの成長のために歌いかけるように、ザトウクジラが何処かで生命の歌を歌い続けるように、僕らも新しいネットワークに歌を響かせよう。

Humpback whales singing in the deep and expansive blue ocean. Male humpback whales sing for 6 to 30 min., music that combines different musical phrases to create the dominan theme. They sing sometimes for a few hours, sometimes all day long, somewhere the ocean unknown to us. Of couse I have no doubt all creatures that live on this planet sing the music and keep the rhythm in their own way. Even birds, fishes, trees, plants and stones on the path sing. It is obvious, the song of the humpback whale, so similar to human song, echoes more directly to the human soul. The song, the gospel of the earth, can reach whales from 1,500km to 10,000km apart. Whales may possibly communicate between Alaska to Antrarctic Ocean. It is not a waste of time to examine how whales network with each other when we think about the new human network we have just begun to explore.

When Dr. John C. Lilly renowned authority on dolphin communication was asked about similarities between human and dolphin communication, he responded, " I like fax machines. Because fax machines communicate exactly the same way dolphins do. There is only the sound " pee...gahh.. " on the phone line between the report in my hand and the copy report that comes out the other end. ". He is pointing out the similarity between whales' and facsimile communication. The hot new network in front of us and fax communication are certainly similar to the way whales communicate One difference between then is, unlike the whales' biosonar the network requires expensive hardware and monthly phone payments. But hopefully with time this difference will disappear.

But, that's not the point. The point is what we can sing on the network that keeps spreading and surrounding this planet. The network makes it so easy to skip over borders taking us, over there, faraway and totally to the other side. But in order to tour the world, using the network as natives of this planet, we need to stay where we are.

Let's sing the song. Fell free from time and distance like coyotes, cactus and obsidian. Let's sing the song to be members of the earth's band again. Let's go back, like Gregory Bateson who understanding primitive cultures, insanity and children come to understand dolphins. Let's echo the song across the network, the way the Earth's natives sing to beans, corns and potatoes to help them grow, the way humpback whales sing the song of life.

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