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2007年01月03日

●宇宙朝顔、宇宙猫。

昨日書いた岩田先生について、「オススメの一冊はどれ?」と聞かれることがよくある。

そんなとき、ボクは迷わず、「からだ・こころ・たましい」の最後の部分、と答えている。「からだ・こころ・たましい 宗教の世界を旅する」は、サブタイトルにあるとおり、子供向けに世界の宗教をわかりやすく説いた一冊なのだが、まとめとにあたるあとがきが素晴らしい。そこには「宇宙朝顔」が語られているのだが、長いのでここに引用
することは難しい。そのニュアンスを伝えるのにどうした良いか考えていたところ、工作舎のウェブの「週刊媒体探偵団 079 休日の午後に」に、宇宙○○のエッセンスがとてもよく伝わってくる文章があった。


◎ かつてのはかなげな子猫ももう2歳、ガッシリとしたいかにもオスの茶トラという体つきになったけれど、のどかに眠る猫を見ていると、こちらもなんとなくおだやかな気分になる。そんな折りふと思い出すのは、『草木虫魚の人類学』を読んで興味を惹かれた人類学者・岩田慶治先生の講演会に行った時のこと。その一つはこんなお話だったと思う。先生は、当時ご自宅で飼われていた老猫が静かに眠る姿を見て想像をめぐらせたそうだ。


◎……ここで今眠っている猫が、もしもただの猫ではなくて【宇宙猫】だったとしたらどうだろう。この地球上で生きとし生けるものすべてと結ばれている猫だったら。そうしてこの猫がいずれはかなく死を迎えたら、もちろん家族の一員を失った私たちは悲しいけれど、それだけではないかもしれない。地球上のすべての命あるものたちが、一つの命が失われたことを感知して、自分たちの存在のありようのままに、その死を傷むにちがいない。木々は風にそよいで枝を鳴らし、花はこうべ頭をたれ、鳥は一声をあげ、魚は尾ひれを翻し……。そうしてそのありさまをはるか宇宙から眺めたとしたら、地球上のすべての命の嘆きがきらきらと光を放ち、さながら1個の地球曼荼羅と化して輝くにちがいない……。

これを読んでくれているキミたちすべてが、宇宙○○だと言うことに気づいてくれることが、今、とても大切なのだとボクは思っている。このでは、一年間に3万人以上の人が、自ら命を絶っている。3万以上の宇宙○○が、自ら消えていなくなっている・・・。生き延びるための哲学としても、岩田先生の著作を重ねて薦めたい。冬休みが終わったら、キミの家から一番近い図書館に足を運んでほしい。そして、蔵書カードの束から、岩田先生の著作を探してほしい。幸運にも、そこに岩田先生の著作があったなら、迷わず借りて読んでみてほしい。もし、そこに岩田先生の著作がなかったなら、リクエストカードに書いて司書に渡してほしい。図書館に求められるのは、無駄な蔵書の数ではなく、価値ある本があるということなのだ。そのことを図書館に教えるのはボクたちユーザなのだ。



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からだ・こころ・たましい 宗教の世界を旅する


岩田先生は昨年、第16回南方熊楠賞を受賞し、田辺では記念の講演会も開かれ(嗚呼行きたかったなぁ)、受賞記念の新刊「森林・草原・砂漠―森羅万象とともに」も出版された。近い未来、岩田先生の講演を聴くことも夢ではないかもしれない。

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